www.crosshyou.info

政府統計の総合窓口のデータや、OECDやUCIやのデータを使って、Rの練習をしています。ときどき、読書記録も載せています。

青果物卸売市場調査の分析5 - 産地によって、なすの価格に違いはあるのか?(wilcox.test関数) 茨城は安く、群馬は高い

今回の分析では、7月の青果物卸売市場調査のデータを使って、産地によって同じ野菜でも価格に違いがあるかどうか?を分析しようと思います。

まずは、CSVファイルに保存してあるデータをread.csv関数でR言語に読込み、summary関数でデータの要約統計量を表示します。

f:id:cross_hyou:20180830141338j:plain

まずは、「なす」について調べましょう。「なす」だけのデータフレームを作成します。このとき、産地名で「全国集計」とあるものは除外します。subset関数を使います。

f:id:cross_hyou:20180830141826j:plain

summary関数の結果を見ますと、産地名のところに注目すると、茨城、群馬、栃木の3件が多くの日数で出荷しているようですね。そして、価格のところを見ると、最低価格は205円、最高価格は536円、中央値は350円、平均値は347円です。

価格のヒストグラムをみてみます。hist関数です。

f:id:cross_hyou:20180830142218j:plain

f:id:cross_hyou:20180830142228j:plain

hist関数で、labels=TRUEとオプションを追加すると、度数も一緒に表示されます。

茨城産のなすの価格の要約統計量を見てみます。

f:id:cross_hyou:20180830142747j:plain

平均値は281円50銭、中央値は277円00銭です。

同じように、群馬産、栃木産のなすのデータも算出します。

f:id:cross_hyou:20180830143204j:plain

群馬産は平均値は398円70銭、中央値は403円00銭

栃木産は平均値は367円50銭、中央値は361円00銭です。

茨城と群馬では、100円以上違いますね。

それぞれの産地のデータの数は23、22なので平均値に差があるかではなくて、中央値に差があるか、を検定します。

ウィルコクソン=マン・ホイットニー検定を使います。関数は、wilcox.test関数です。

f:id:cross_hyou:20180830143954j:plain

p-value = 3.421e-08 < 0.05 ですから、茨城産のなすと栃木産のなすの価格の分布には違いがあります。

茨城と群馬ではどうでしょうか?

f:id:cross_hyou:20180830144341j:plain

p-value = 9.781e-09 < 0.05 ですから、茨城産のなすと群馬産のなすの価格の分布には違いがあります。

群馬と栃木ではどうでしょうか?

f:id:cross_hyou:20180830144640j:plain

p-value = 0.0005333 < 0.05 ですから、群馬産のなすと栃木産のなすでは、価格の分布に違いがあります。

以上から、3つの産地それぞれで、なすの価格に違いはあることがわかりました。

最後にそれぞれの価格のヒストグラムを表示しましょう。

f:id:cross_hyou:20180830145457j:plain

f:id:cross_hyou:20180830145506j:plain

たしかに、3つの産地で価格に分布に違いがありますね。