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読書記録 - 「日本型資本主義 その精神の源」寺西重郎著 中公新書

 

日本型資本主義-その精神の源 (中公新書)
 

 日本の資本主義は欧米で発達したキリスト教を基盤とする資本主義ではなく、鎌倉時代に発展した仏教を基盤とした資本主義である。

欧米型資本主義では、自己と公共世界という関係で、企業がお金を借りる時、株式や債券の発行という形態になるが、日本型資本主義では、自己と身近な他人という関係で、企業が資金を調達する時、身近な銀行からお金を借りる形態になる。

欧米型資本主義では、労働者の人格と労働力は別物なので、簡単に解雇や転職が発生するが、日本型資本主義では、労働者の人格と労働力は一体化しているので、簡単に解雇や転職ができない。

日本型資本主義では、労働を求道的な人格形成の活動とみなす傾向が強い。

このようなことが書かれていました。同じ資本主義でも基盤となる精神構造が違うので日本は欧米を、欧米は日本を相互に理解する必要があると思いました。また、中国などは、日本、欧米とも違い儒教を基盤とした資本主義とのことです。

キリスト教、仏教、儒教という宗教に優劣は無いのだから、欧米型資本主義、日本型資本主義、中国型資本主義に優劣はなく相互に理解し違いを乗り越えていく必要があるということですね。