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政府統計の総合窓口のデータや、OECDやUCIやのデータを使って、Rの練習をしています。ときどき、読書記録も載せています。

景気ウォッチャー調査分析1 - 地域によって回答率に差はあるのか?

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本日(06月08日)、5月の景気ウォッチャー調査内閣府から発表されました。

平成30年5月調査(平成30年6月8日公表):景気ウォッチャー調査 - 内閣府

この調査は、アンケート調査で各地域の景況感を調べているものなのですが、アンケートに対する回答率が以下のようにまとまっています。

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中国地域は100%の回答率、沖縄は72.0%の回答率と地域によって差があります。この差はたまたまなのでしょうか?それとも有意な差なのでしょうか?

R言語で分析してみましょう。

南関東の値は東京都の値が含まれていますので、南関東(除く東京)として分析しようと思います。全国が2050人が調査客体、有効回答客体が1852人で回答率が90.3%です。

この90.3%を基準にして、それぞれの地域の回答率が有意に違うのかどうかを調べます。二項検定ですので、binom.test関数です。

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p-value = 0.2995 > 0.05 ですから、北海道の回答率は全国平均と違いはないです。

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p-value = 0.8064 > 0.05 ですから、東北の回答率は全国平均と違いはないです。

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p-value = 0.5521 > 0.05 なので、北関東の回答率は全国平均と違いはないです。

 

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p-value = 0.5253 > 0.05 なので、南関東(ex東京)の回答率は全国平均と違いはないです。

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p-value = 0.07322 > 0.05 なので、東京都の回答率は全国平均と違いはないです。

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p-value = 0.3793 > 0.05 なので、甲信越の回答率は全国平均と違いはないです。

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p-value = 0.3349 > 0.05 なので、東海の回答率は全国平均と違いはないです。

 

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p-value = 0.4971 > 0.05 なので、北陸の回答率は全国平均と違いはないです。

 

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p-value = 0.1354 > 0.05 なので、近畿の回答率は全国平均と違いはないです。

 

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p-value = 6.493e-08 < 0.05 なので、中国の回答率は全国平均と有意に違います。中国地方の人がかなりアンケートに好意的なのか、調査会社のアンケート回収テクニックが凄いのか、他の地域の調査担当者は中国地域の調査担当者にアンケート回収のコツを教えてもらうといいかもしれませんね。

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p-value = 0.01409 < 0.05 なので、四国の回答率は全国平均と有意に違います。どうして全国平均よりも回答率が低いのかさらなる調査が必要かもしれません。

 

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p-value = 0.03466 < 0.05 なので、九州の回答率は全国平均と有意に違います。四国と同じくさらなる調査が必要かもしれません。

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p-value = 0.0002075 < 0.05 なので、沖縄の回答率は全国平均と有意に違います。四国、九州と同じくさらなる調査が必要かもしれません。

今回の分析結果では、中国地方のアンケート回収率100%はすごい!四国、九州、沖縄の回答率は全国平均とくらべて有意に低い、ということがわかりました。