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政府統計の総合窓口のデータや、OECDやUCIやのデータを使って、Rの練習をしています。ときどき、読書記録も載せています。

日銀短観2019年12月調査のデータ分析7 - R言語で企業の規模と現状の景況感で先行きの景況感を分析。(ANCOVA)

 

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の続きです。

今回は、企業の規模というカテゴリカル変数と現状の景況感という実数の変数を組み合わせて先行きの景況感を分析してみたいと思います。

ANCOVA(ANalysis of COVAriance)というものですね。

まずは、横軸に現状の景況感(Now)、縦軸に先行きの景況感(Next)の散布図を作成してみます。その際、企業の規模で色分けしてみます。

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赤が大企業、緑が中堅企業、青が中小企業です。中小企業は大企業、中堅企業と比べるとNowもNextも水準が低いように見えます。

lm関数でANCOVAを実行します。

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NowとSizeの交互作用は有意ではないようです。交互作用が有意では無いということは、回帰線の傾きは企業規模で変らないということですね。削除してモデルを単純化します。

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model2のサマリを見てみます。

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中堅企業のEstimateのは-5.33355で、中小企業のEstimateは-4.54664です。差は0.8ぐらいしかありません。Standard Errorは1.5ぐらいありますから、中堅企業と中小企業とは有意な差はなさそうですね。新しいファクタを作って確認します。

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このnewSizeという新しいファクタでモデルを作成してみます。

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model2とmodel3では有意な違いは無いですね。

model3を確認します。

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p-valueが2.2e-16よりも小さいので有意なモデルです。先ほどのように、散布図を描いてみます。

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この散布図にそれぞれの回帰直線を重ねてみます。

大企業の回帰直線は、切片が0.56625で傾きが0.81183です。

中堅中小の回帰直線は、傾きは同じ0.81183ですが、切片が0.56625 - 4.96150 = -4.39325になります。

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こうなります。赤が大企業で、緑が中堅中小企業です。

最後にmodel3の残差プロットなどを見てみます。

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今回は以上です。