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政府統計の総合窓口のデータや、OECDやUCIやのデータを使って、Rの練習をしています。ときどき、読書記録も載せています。

配当ランキングのデータ分析3 - R言語で株価のデータを分析する。分散が違うときは平均値を比べてはいけない。

 

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 の続きです。

今回は株価のデータを分析してみます。

market別の株価の分布を見てみます。

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東証に属する銘柄、リートやインフラファンドですが、株価が他と比べると特段に高いですね。Y軸を対数にしてグラフにしてみます。

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tapply関数でmarket別の株価の平均値を計算しましょう。

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東証は12万9260円、東証1部は1178円、東証2部は284円、東証JQSは601円ぐらいが平均値(1円未満切り捨て)です。

東証1部の株価と東証JQSの株価の平均値に違いがあるかを調べます。

まず、var.test関数で分散に違いがあるのかないのかを確認します。

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var.test関数の結果、p値が0.001196と0.05よりも小さいので、東証1部の銘柄の株価の分散と東証JQSの銘柄の株価の分散が同じとは言えないことがわかりました。

分散が違うとt検定は使えない(Statistics An introduction using R by Michael J. Crawleyのp58)ので、Wilcoxon Rank-Sum Testをします。wilcox.test関数です。

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p値が0.1634と0.05よりも大きいので、東証1部の株価の分布位置と東証JQSの株価の分布位置に違いがあるとは言えません。

参考として、t.test関数の結果もみてみましょう。

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p値が0.008712と0.05よりも小さいので、t検定では平均値に違いがあるという結果になります。分散の違いを確認せずにt検定をしてしまうと誤った結論になってしまいますね。

東証1部の株価と東証JQSの株価の分布をグラフにしてみます。

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このようにグラフにすると、よくわかります。東証JQSの銘柄の株価の分布は東証1部の銘柄の株価の分布に内包されています。水平線がそれぞれの平均値です。

 

Statistics: An Introduction Using R

Statistics: An Introduction Using R

 

 こちらの本の58ページ目に

when the variances are different, don't compare the mean.

とあります。

今回は以上です。

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