著者はJR九州の初代社長です。300ページ以上もあって新書にしては分厚い本でした。
国鉄時代は乗客のことを「利用客」と呼んでいたこと、筆者がJR九州の社長になって、まず最初に「お客さま」と呼ぶように改めたこと、というエピソードは、国鉄からJRなったことを象徴しているようで印象深く思いました。
鉄道事業の収益性は、営業地域の人口密度に比例する、ということです。
横軸に人口密度、縦軸に収益性をとったグラフが、きれいに右肩上がりの直線になって、左下にJR北海道、その次にJR四国、真ん中にJR九州、その次がJR東日本とJR西日本、一番右上にJR東海がプロットされている図があって、なるほどと思いました。
国鉄が戦後発足してからの出来事の中で、東海道新幹線が東京-新大阪間で開通ということが一番の栄光だとすれば、その栄光の年から国鉄はずっと赤字になってしまったという崩壊が始まっている、ということに運命的なものを感じました。
国鉄の赤字は、国鉄職員の勤務の非効率が一因ではあるけれども、それ以上に運賃改定は国の承認がいるとかなどの制度的な要因が大きいのかなと思いました。
これからの日本の鉄道事業、特にJR各社は、人口減少という大きな流れの中で、旅客よりも貨物、新幹線を利用した貨物が大きな鍵になる、ということでした。
