Rで何かをしたり、読書をするブログ

政府統計の総合窓口のデータや、OECDやUCIやのデータを使って、Rの練習をしています。ときどき、読書記録も載せています。

読書記録 - 「科学者が人間であること」 中村 桂子 著 (岩波新書)

2013年8月に発行された本です。2011年の東日本大震災が原因の東京電力福島第一原発の事故の影響がこの本に現れています。

福島第一原発の事故では、「専門家」の解説の言葉が普通の人たちには届いていなかった、それは科学者が「人間は生きものであり、自然の中にいる」という視点を全くもっていなかったからだ、と筆者は指摘しています。

「人間は生きものであり、自然の中にいる」という視点がなければいけない、ということが繰り返し繰り返し書かれています。そのためには、デカルトやガリレオからは始まった自然でできるだけ細かく分割し、機械のような精密さで分析する科学、(これを筆者は密画の世界と言っています)だけではなくて、子どもが自然の中でにおいや音、色などを感じで遊ぶような略画の世界も必要で、密画と略画の「重ね描き」をしなければいけない、ということが書かれていました。宮沢賢治や南方熊楠はそのような「重ね描き」を実践していた、と書かれています。

2020年のコロナ禍の際にも専門家が解説をしていましたが、これもあまり心に響かなかったのは、密画の世界しか語っていなかったからかな、とも思いました。