本書の「はじめに」に「多くの人々が集う場でもある名水。その魅力を問い直すことは水と日本人の関係を知ることにつながる。暮らしが求め、時代に応じて名を付けられた水。水に名を付ける意味や意義を、社会科学と自然科学の両面から考察することで、「名水と日本人」の関係を明らかにするのが本書の意図である。」とあります。
まさしくこのとおりの内容で、古事記や日本書紀にある名水から現代の市販のミネラルウォーターまで紹介されています。
第七章「水質が生み出した名水」が私としては一番面白かったです。夏は10℃、冬は20℃と水温が夏のほうが低い不思議な「江川湧水」の話や、お酒に適した水の成分、お茶に適した水の成分の話など自然科学の観点で名水が語られています。昔の人は、水の科学的成分分析などしていないのに、経験から自然とお酒に適した水、お茶に適した水をわかっていたというのは、凄いなと思いました。
