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政府統計の総合窓口のデータや、OECDやUCIやのデータを使って、Rの練習をしています。ときどき、読書記録も載せています。

法人企業統計の分析11 - 規模と総資本経常利益率でクロス表分析

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今回は、規模と総資本経常利益率には関係があるかどうかをクロス表分析で調べてみたいと思います。2016年度の法人企業統計年報のデータを、R言語で分析します。

規模のカテゴリは、

KL1 資本金10億円以上

KL2 資本金1億円以上10億円未満

KL3 資本金5千万円以上1億円未満

KL4 資本金2千万円以上5千万円未満

KL5 資本金1千万円以上2千万円未満

です。

総資本経常利益率のカテゴリは、

3.1未満 Soushi_Keiji_S

3.1以上5.825未満 Soushi_Keiji_M

5.825以上 Soushi_Keiji_L

です。

それぞれの分布は以下のようになります。summary関数を使いました。

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規模は均等、総資本経常利益率は、真ん中のグループの数が多くなっています。

まずは、クロス表をtable関数で作成しましょう。結果をkisokeという変数に格納しました。

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どうでしょうか。規模の大きいKL1には総資本経常利益率の高いSoushi_Keiji_Lが多いように見えます。独立性の検定をchisq.test関数でしてみましょう。

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p-value - 0.04581 < 0.05 なので、5%の有意水準で、規模と総資本経常利益率は独立している、という帰無仮説は棄却できました。やはり規模と総資本経常利益率は関係しているようです。

調整済み残差を計算して、どの組み合わせが有意に関係しているかを見てみましょう。

カイ二乗の計算をしたときに、同時に調整済み残差も計算されています。その結果をdoku$stdresで見ればいいだけです。

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調整済み残差は、±2以上だと有意になっていることを表します。プラス2以上の組み合わせで見ると、規模の一番小さなKL5のグループの企業は、総資本経常利益率が低いグループC_Soushi_Keiji_Sに多く集中していることがわかります。

中小企業はやっぱり収益力が低いんですね。映画「男はつらいよ」でタコ社長がいつも苦労していることが納得です。