読書記録
地球外生命 われわれは孤独か (岩波新書) 作者:長沼 毅,井田 茂 岩波書店 Amazon 生命は私たちが住む地球という惑星の他にもいるのだろうか?ということを天文学者と生物学者が書いた本です。 前に読んだ太陽系外惑星の本を思い出しました。この宇宙には私た…
倫理学入門-アリストテレスから生殖技術、AIまで (中公新書 2598) 作者:品川 哲彦 中央公論新社 Amazon 倫理学の入門書ということで、アリストテレスの徳倫理学やホッブズの社会契約論やロックの社会契約論などがフローチャートを活用してわかりやすく説明さ…
人類哲学序説 (岩波新書) 作者:梅原 猛 岩波書店 Amazon 2011年の秋に京都芸術大学で行われた講義をまとめたものです。 デカルトから始まったヨーロッパの近代哲学は人間中心の哲学で、自然は人間が征服すべきもの、というものなので、これからの世界ではダ…
アメリカ海兵隊: 非営利型組織の自己革新 (中公新書 1272) 作者:野中 郁次郎 中央公論新社 Amazon アメリカ独立戦争のときに、英国に海兵隊という組織があるから、という単純な理由で結成されたアメリカ海兵隊が、水陸両用作戦という画期的な概念を生み出し…
戦争と法 命と暮らしは守られるのか (岩波新書) 作者:永井 幸寿 岩波書店 Amazon 戦争になったとき、私たちの暮らしは守れるのでしょうか?この本を読むと、「守られない」ということがわかります。 軍隊は国を守りますが、この国というのは、私たち一般市民…
恐竜大絶滅 陸・海・空で何が起きていたのか (中公新書) 作者:土屋健 中央公論新社 Amazon 恐竜が絶滅したのは、いまから約6600万年前に巨大な隕石が地球に落下して、その衝突の影響で絶滅しました。 この巨大隕石の落下が原因で絶滅した生物は恐竜の他にも…
セカンド・チャンス シェイクスピアとフロイトに学ぶ「やり直しの人生」 (岩波新書) 作者:スティーブン グリーンブラット,アダム フィリップス 岩波書店 Amazon 難しい本でした。訳者のあとがきを読んで、ようやくなんとなくわかった気がします。 セカンド・…
すごい進化 - 「一見すると不合理」の謎を解く (中公新書) 作者:鈴木紀之 中央公論新社 Amazon 昆虫の不思議な生態を中心に、「一見すると不合理」な生態が進化の自然淘汰というレンズを通して見ると、合理的なんだ、という事例が何件も紹介されていてとても…
世界の貧困に挑む マイクロファイナンスの可能性 (岩波新書) 作者:慎 泰俊 岩波書店 Amazon 著者は、五常・アンド・カンパニーというマイクロファイナンスの会社の創業者です。 マイクロファイナンスという事業を通して、世界の人々が貧困から脱却できるよう…
国鉄―「日本最大の企業」の栄光と崩壊 (中公新書 2714) 作者:石井 幸孝 中央公論新社 Amazon 著者はJR九州の初代社長です。300ページ以上もあって新書にしては分厚い本でした。 国鉄時代は乗客のことを「利用客」と呼んでいたこと、筆者がJR九州の社長になっ…
栽培植物と農耕の起源 (岩波新書) 作者:中尾 佐助 岩波書店 Amazon 1966年に発行された本なので、ロングセラーです。 英語では文化は、culture で、農業は agriculture なので農業は文化の起源ということから話が始まっています。 1966年当時の記述なので、…
経済社会の学び方-健全な懐疑の目を養う (中公新書 2659) 作者:猪木 武徳 中央公論新社 Amazon 筆者が「社会科学」とは言わずに「社会研究」と言っているのが印象的でした。経済社会は「自然科学」とは違って再現可能性は限られるし、数学のような完全な理論…
財政と民主主義 人間が信頼し合える社会へ (岩波新書) 作者:神野 直彦 岩波書店 Amazon 「財政」という言葉を新聞やニュースで聞いたりしますが、いまいちどんなものかわかりませんでした。この本の中に、財政は「パブリック・ファイナンス」の翻訳語だと書…
平等とは何か 運、格差、能力主義を問いなおす (中公新書) 作者:田中将人 中央公論新社 Amazon 平等とはどういうことかということを政治哲学の観点から書いたものです。 はじめに、不平等の何がいけないか、ということから始めています。 不平等は、①剥奪(de…
ヒトとヒグマ 狩猟からクマ送り儀礼まで (岩波新書) 作者:増田 隆一 岩波書店 Amazon ヒグマはヨーロッパ、ユーラシア、北米に分布しています。その中で北海道は一番密度が高いそうです。 ヒグマは冬眠をする生き物で、冬にはいなくなって春に復活する、とい…
デザイン経営 各国に学ぶ企業価値を高める戦略 (中公新書) 作者:小山太郎 中央公論新社 Amazon デザイン経営というのは、製品やサービスのデザインを中心にしている企業の経営スタイルのようです。そして、デザイン経営といっても各国で特徴があるということ…
リンカン 「合衆国市民」の創造者 (岩波新書) 作者:紀平 英作 岩波書店 Amazon リンカーンじゃなくて、リンカンなんですね。リンカンはアメリカの大統領で、「人民の、人民による、人民のための政治」という言葉と、歴代大統領の中で一番尊敬されている大統…
地球の歴史 下 人類の台頭 (中公新書) 作者:鎌田浩毅 中央公論新社 Amazon 上・中・下の3冊シリーズの最終巻は、中生代の恐竜の話から人類のこと、そして最後は太陽が白色矮星になるまでのお話でした。 いまから6500万年前に、巨大な隕石が地球に落下して、…
ルポ 軍事優先社会 暮らしの中の「戦争準備」 (岩波新書) 作者:吉田 敏浩 岩波書店 Amazon 日本の政府が着々と地方の空港や港湾を何かあったら米軍や自衛隊が使えるようにしたり、全国の自衛隊の基地に弾薬庫を新しく作ったり、防衛費を増加させたりして「軍…
脳の意識 機械の意識 脳神経科学の挑戦 (中公新書) 作者:渡辺正峰 中央公論新社 Amazon 脳の働きは、脳の神経細胞、ニューロンの活動がもとになっていて、この活動には物理的・化学的に説明がつくということです。ニューロンの中は電気信号が情報の伝達をし…
ビジネスと人権 人を大切にしない社会を変える (岩波新書) 作者:伊藤 和子 岩波書店 Amazon この本はビジネス、企業の活動と人権について書いています。企業が営業活動をしていく過程で、様々な事柄が人権侵害に結び付きうることがわかります。 大手アパレル…
災厄の町〔新訳版〕 作者:エラリイ クイーン 早川書房 Amazon ゆっくりと物語が進行していきます。架空の町、ライツヴィルという町にエラリイ・クイーン氏が訪れ、この町の名家のライト家に居候して、ある事件に遭遇する、という筋立てです。 物語の進行して…
英語の読み方 ニュース、SNSから小説まで (中公新書) 作者:北村一真 中央公論新社 Amazon 「日本人は読めるけど聞けない、話せない」という主張は、「日本人はネイティブスピードの半分以下の速度でなら読めるけど、ネイティブスピードで会話はできない(…
アメリカ・イン・ジャパン ハーバード講義録 (岩波新書) 作者:吉見 俊哉 岩波書店 Amazon 筆者が2018年にハーバード大学で行った講義をまとめたものです。1000円ちょっとでハーバード大学の講義を体感できるなんて、本はいいですね。 ペリーの日本「遠征」か…
地方消滅2 加速する少子化と新たな人口ビジョン (中公新書) 中央公論新社 Amazon 10年前に出版された「地方消滅」の第2弾です。私は「地方消滅」を読んでいないのですが、当時、消滅可能性自治体がたくさんあって話題になったことを覚えています。 10年前と…
スタートアップとは何か 経済活性化への処方箋 (岩波新書) 作者:加藤 雅俊 岩波書店 Amazon 2024年4月に発行された本です。スタートアップは起業してまもない企業のことで、筆者は大学でスタートアップについての研究をしています。この本はアカデミックな視…
地球の歴史 中 - 生命の登場 (中公新書 2399) 作者:鎌田 浩毅 中央公論新社 Amazon 地球に海ができて、生命が登場してから恐竜誕生前夜までの歴史です。地球はこの間に、地磁気のN極とS極が何回も逆転したり、全球凍結といって、地表・海面すべて氷に覆われ…
現代カタストロフ論 経済と生命の周期を解き明かす (岩波新書) 作者:金子 勝,児玉 龍彦 岩波書店 Amazon 2022年12月に発行された本です。 一般的に「カタストロフ」は「崩壊」と捉えられているが、実は一つの周期であり、局所的な変曲点だそうです。「安定的…
日本政治学史-丸山眞男からジェンダー論、実験政治学まで (中公新書 2837) 作者:酒井 大輔 中央公論新社 Amazon この本の巻末には参考文献のリストがありますが、これが新書の参考文献リストしては破格の量で圧倒されます。 著者は大学の先生かと思ったら、…
優しいコミュニケーション 「思いやり」の言語学 (岩波新書 新赤版 1971) 作者:村田 和代 岩波書店 Amazon 筆者は龍谷大学の社会言語学の先生です。 社会言語学という学問分野があることをはじめて知りました。 「生きている言葉やコミュニケーションの有り…