1981年に出版された本ですが、2023年の今でも読める本だと思います。
最近、SDGs(持続可能な開発目標)や脱炭素を推進しよう!と言っている人の中に、石炭・石油の火力発電から原子力発電に切り替えていくべきだ、という意見の人がいますが、そういう人たちは本気で原子力発電が持続可能なクリーンエネルギーだと思っているのでしょうか?この本を読んだらそんな考えは絶対に持たないだろうと思います。
原子力発電は弱者の犠牲の上に成り立っていると思いました。ウラン鉱山の労働者が被ばくして、原子力発電所内での下請け会社の人が被ばくして、都会で使う電気のために地方の原子力発電所が立地している人が被ばくして、使われた放射能物質の再処理工場がまた地方に建設されて、、、
原子力の活用という科学技術の進歩(とは言えないかもしれませんが)に人間社会の進歩が追い付かないように思います。
そもそも、放射能が無くなるまでに何万年もかかるような廃棄物が出る発電方法を選択する必然性ってあるのかな、とこの本を読んで強く思いました。