この本では、新型コロナウィルス、天然痘、ペスト、マラリアの4つの感染症について社会がどのように対応してきたのか、を医史学(医学史)の観点から描いています。
医史学という学問分野があることを知りませんでしたので、こういう学問分野があるということを知っただけでもよかったです。
ペストは日本では、ほとんどなかったがマラリアは度々流行していたこと、滋賀県は琵琶湖があったのでマラリアの媒介の蚊が発生しやすかったこと、天然痘についてはジェンナーが種痘をする前から人痘といって天然痘に感染した人のかさぶたなどを鼻から吸収させるような予防法が行われていたことなど知らないことがいっぱいでした。
今回の新型コロナウィルスの事象に限ったことではないですが、このような社会事象をどのようにして後世に伝えていくのか、何を記録していくのかなど難しい問題だと思いました。