前回は、景気ウォッチャー調査の合計DI(現状判断・方向性)と東証株価指数の関係をみましたが、合計DIを株価指数の売買の判断にしても効果が無いことがわかりました。そこで今回はその他のDI項目について調べてみようと思います。
まずは、エクセルにこのようなファイルを作成しました。
DIが50以上なら好況、50未満なら不況です。
株価騰落は来月と来来月のTOPIX株価を比較して上昇しているか、下落しているかです。
なぜ、来月と来来月の株価を比較するかというと、
例えば、5月の景気ウォッチャー調査が翌月の6月半ばに発表されます。そこで好況か不況かを判断し、好況ならば6月末でTOPIXを買って、翌月末に売る、という戦略を調べるからです。
このファイルを、DIs_Topix.csvと名前をつけて保存しました。
read.csv("DIs_Topix.csv")と入力します。これをsummary関数を使ってどんなデータが見てみます。
C家計と株価騰落のクロス表を作成し、カイ自乗検定で関連があるかどうかを調べます。
p-value = 0.4721 > 0.05 ですから関連はありません。
C小売と株価騰落のクロス表を作成し、カイ自乗検定で関連があるかどうかを調べます。
p-value = 0.617 > 0.05 なので小売のDIと株価騰落は関連がありません。
C飲食と株価騰落のクロス表を作成し、カイ自乗検定で関連があるかどうかを調べます。
p-value = 0.9083 > 0.05 なので飲食DIと株価騰落は関係ありません。
Cサービスと株価騰落のクロス表を作成し、カイ自乗検定で関連があるかどうかを調べます。
p-value = 0.2901 > 0.05 なのでサービスDIと株価騰落は関連ありません。
C住宅と株価騰落のクロス表を作成し、カイ自乗検定で関連があるかどうかを調べます。
p-value = 0.4888 > 0.005 なので住宅DIと株価騰落は関連ありません。
C企業と株価騰落のクロス表を作成し、カイ自乗検定で関連があるかどうかを調べます。
p-value = 0.1865 > 0.05 ですので企業DIと株価騰落は関連ありません。
C製造と株価騰落のクロス表を作成し、カイ自乗検定で関連があるかどうかを調べます。
p-value = 0.3075 > 0.05 なので製造業DIと株価騰落は関連がありません。
C非製造業と株価騰落のクロス表を作成し、カイ自乗検定で関連があるかどうかを調べます。
p-value = 0.02976 < 0.05 ですから、非製造業DIと株価騰落は関連があるといえます!やりました!調整済み残差のクロス表を見てみましょう。
非製造業DIが好況のときは株価騰落は上昇が有意に多く、不況のときは下落が有意に多いということです。
最後に、C雇用と株価騰落のクロス表を作成し、関連があるかどうかをカイ自乗検定で調べます。
p-value = 0.01298 < 0.05 ですから雇用DIと株価騰落は関連があると言えます。
調整済み残差を見てみましょう。
雇用DIが好況のときは上昇が有意に多く、不況のときは下落が有意に多いということですね。
今回の分析結果から、非製造業DIと雇用DIは株価騰落と関連があることがわかりました。