あとがきには、「二〇二六年七月 東京・神楽坂の薄暗く、しかし静謐なる研究室にて」とありますので、最近発行されたばかりの本です。
生命の本質は、半保存的で、オリジナル性が維持されるような自己複製にあるということを主張しています。
生物と生命は違っていて、「生物は細胞からできている」という細胞説が生命科学の中での大前提というか常識ということです。だけども細胞の中には、半保存的で、オリジナリティ性が維持されるような自己複製を行うミトコンドリアのようなものもあったりするので、生命から生物への境界は、あいまいなものだということです。
DNAやRNAの話があったりしましたが、「自己複製」が生命の本質だということを繰り返し、繰り返し主張しているような印象を持ちました。
半保存的で、オリジナル性が維持されるような自己複製とは「進化」とおんなじことのような気がしました。
本書のタイトルにある「常識を覆す」というのが、どのような「常識」なのかというのが今一つ曖昧に感じました。「生物は細胞からできている」という常識を「ミトコンドリアやウイルスも生物とみなす」ということなのかとも思いましたが、そこはあまり強調されていないような気がしました。
私が編集者なら、「生命の本質 深淵な「自己複製」の世界」という題名にします。
編集者の話になりましたが、あとがきに、はじめの編集者が「講談社ブルーバックス」に移籍した、と書かれてありました。編集者も出版社を移ることがあるんだな、と思いましたし、書籍って編集者によって良くもなれば悪くもなるので、編集者にももっと光が当たればいいな、と本好きの人間として思いました。
